2014年8月21日木曜日

Allemansrätten

自然享受権


 


 
 
スウェーデンの夏は、短く儚い季節です。
 
だから、スウェーデンの人々はその夏を満喫するために
とても長い休暇(だいたい4週間位)を取り、
家族や親しい友人と旅行に出かけたり、サマーハウスでのんびりして過ごします。
 
この季節ならではの旬のベリーを摘んでジャムにして楽しんだり、
ピクニックに出かけたり、海でバーベキュー。。など
 
ありふれた日常も、この時期のスウェーデンの天気が特別のものに
感じさせてくれます。


 
 


 
写真はスウェーデンのちょうど真ん中辺りに位置している
Dalarna(ダーラナ)地方のシリヤン湖のほとりの様子。
 
水が透き通るように澄んでいて、水底まで覗く事が出来るほど
美しい水質を保っています。




スウェーデンには「自然享受権」という国民の為の権利があります。
((Allemansrätten (English:Everyone's right)) といい
すべての人が自然を享受できるという意味で、
誰でも山や湖に入って、泳いだりベリーを摘んだり、キノコを採っても良い
という法律です。(畑や個人の庭などは、避けましょう。)
 
みんなが自然や野生の生き物を大切にし、すべての人が自然からの恵みを
分かち合えるようにと、スウェーデンの人々は長い間この権利を大切に守ってきました。
 
国民一人一人が、自然や土地の所有者に配慮する思いやりの精神を持ち
みんなで自然を大切に守りながら、自然と共存し暮らしているスウェーデンの人々。
 
子供の頃から教育の一環として、自然の大切さを学ぶ機会が与えられているからこそ、
個人で自然の恩恵を独り占めしようとはせず、
皆で分かち合う精神が、スウェーデン生活の中に、息づいています。


 

 
 
ここは、ダーラナ地方のレクサンドにほど近い
Ljusbodarnaと呼ばれる、
豊かな夏の牧草地が広がる地域。
 
ハイキングを楽しむことができます。
 
Address: Ljusbodarna, 793 33 Leksand
 
 
 
 
 

 
 
とっても、のどかな農村風景が広がっていました。
 
ここはレクサンドで最大の夏の牧草地。
16世紀、17世紀に建てられた古い建物が、大切に保存されています。
 
 
 
 
 
 
昔ながらの方法で、自然の材料だけで作られた柵。
木の枝を固定する材料も、ワイヤーや釘等を使用しません。
 
自然の蔓で巻きつけて作られています。
 
 



とても古そうな、伝統的な小屋。




 
羊たちの住む小屋だったようです。
 
 


 
こちらは、地下水があることを示すサイン(Källa)
 

 
 
試しに、地下水を汲んで飲んでみましたが、
大変澄んだ水で冷たく美味しい水でした。
 
(地下水は検査を行っていないので、飲む場合には自分のリスクで判断
してくださいという注意書きがありました。)






絵本の中に迷い込んだように
のどかで穏やかな風景に包まれ、
時間も忘れて、のんびりしてしまいます。




 
 
Ljusbordarnaから少し離れたところに, 滝が流れ込む場所がありました。



 


 
雄大なスウェーデンの針葉樹が生い茂る森と
勢いよく流れる河川の壮大さは、
心を打たれるものでした。
 
 
 

スウェーデンの自然享受権は、生活の中で息づいてる権利です。
スウェーデンの文化を理解するためにも、
知っておきたい権利の一つをご紹介しました。
 










2014年8月20日水曜日

Feskekörka

ヨーテボリの新鮮な海の幸

 
 
 
スウェーデンの西海岸の港町ヨーテボリでは、新鮮な魚介類を楽しめる
ちょっとユニークな場所があります。
 
屋内魚市場「 Feskekörka 」(フィスケシュルカ)は、
((English: Fish church)直訳すると「魚の教会」)1874年に都市建築家の
 Victor von Gegerfeltによって手掛けられた建物です。
 
「魚の教会」という名前は、構造がゴシック建築に似ていることに由来していて、
実際は教会とは無関係です。
 
1910年に魚市場で開かれていた「競り」は郊外のMajnabbe漁港へ移転し、
それ以来新鮮な魚類を取り扱う「フィッシュマーケット」として
ヨーテボリ市民の食卓を潤してきました。
 
現在、Feskekörkaには、4つの魚の貿易会社と2つのレストランが入っています。
 
毎朝、水揚げされたばかりの新鮮な魚が手に入る場所はいつも多くの人で賑わい、
また、新鮮な魚介を贅沢に使って、調理されるレストランは、観光客にも人気の場所です。
 
 

 
 
場所は市内の中心部、Hagakyrlan駅からすぐアクセスの良い場所にあります。
(またはJärntorget駅からも、徒歩圏内です。)
 
 
 
 
Feskekörka
Address: Rosenlundsvägen
411 25 Göteborg
 
                                                                HP: www.feskekörka.se
 
Opening hours
Tue - Thursday 09.00 - 17.00
Friday 09.00 - 18.00
Saturday 10.00 - 15.00
 
 
 
 
すぐ脇には、ローゼンルンド運河が流れ、景色の良いところにあります。
 

 
中に入ると、両サイドにぎっしりと並ぶ、新鮮な魚介を並べた魚のショーケースが
目に飛び込んできます。



 
 
 サーモンをはじめ、タラやヒラメなど様々な種類の魚が揃っています。
値段は時価。その時の、水揚げによって価格が決まります。
 
量り売りの場合、1キロの価格が表示されています。
 
 

 
 
 これは、Havskräftor(海のザリガニ)と呼ばれ、河で生育している
代表的な赤いザリガニよりも、味わいがまろやか。
 
海で獲れる、少しピンク色をした上品なHavskraäftorは
大変高価ですが、とても人気があります。
 

 
 
スウェーデンではもうすぐ、ザリガニパーテイー(Kräftskiva)の開かれるシーズンを迎え、
ザリガニが多く出回るようになってきました。
 

 
 
魚を購入する時は、(価格が表示されていないことも多いので)
お店の店員さんに直接訪ねてみます。
 
  おすすめの旬の魚や、調理の仕方など、
良いアドバイスがもらえるはず。
 

 
市場ならではの、活きの良い魚がたくさん
 



スウェーデンの代表的なオープンサンドイッチに欠かせないRäkor(エビ)も
山盛りで売られています。
スウェーデンではエビが良く食卓に上がりますが、
スーパーで売られているエビは、大抵が冷凍品です。
 
市場では新鮮な、茹でたての冷凍されていないエビも購入可能なので
ぜひ、味の違いを試してみては?
 
 
 
 
調理されたパイや、サラダ、エビのサンドウィッチや魚介のスープなど
テイクアウトも可能です。
 
 


建物内には2つのレストランが入っていて、質の高い食事が提供されています。
 
 
 
 
Restaurang Gabriel
 
 
 
 
 
Restaurang Kajutan
 
Tel: +46 031-774 00 73


 
 
 

ぜひ、皆さんも新鮮な海の幸が味わえる
 Feskekörka を訪ねてみてはいかがでしょうか?